前橋の中心商店街は、終戦目前の昭和２０年８月５日の大空襲で一面焼け野原となりました。私の店も祖父の代でしたが、昭和１２年に新築した店舗兼住宅が全焼し、全てを失ったと聞きました。
しかし、前橋の商店街の歴史は古く、百年以上続く老舗が数多くあります。各お店には戦火を免れた戦前の品物や道具、また戦後復興期の商品など、多少ではありますがそれぞれの店が大切にしまってきた「お宝」があります。また店主自身が凄腕の技を持つ「お宝」の場合もあります。それらの品々はまちの暮らしや文化の代弁者であり、刻まれた歴史を静かに語ってくれます。
この度、３５店のお店で「まちなか博物館」をスタートいたしました。多くの皆様に１店１店の小さな博物館を訪ねていただければ幸いです。初めての店で入りにくかったり、 勝手がわからない こともあるかもしれませんが、遠慮なく店主に声をかけて頂きたいのです。私たち３５人の館長もできる限り、展示物等につきまして丁寧にお話しさせて頂きたいと思っております。時には脱線して色々なことに話が及ぶかもしれません。
多くの方々と楽しい会話を通して新しいご縁ができれば、こんなうれしいことはありません。皆様のご来館を心よりお待ち申し上げております。 |
