大正末から昭和初期にかけて精工舎で80〜90台製作されたものの一つで、大きさは縦1m50cm、横幅43cm、奥行き20cm、文字盤の直径28cm、振り子薬1mで、素材は樫の木で出来ている。
戦前は店が旧田町、現在の本町八幡宮近くにあったが、上佐鳥町に疎開して昭和20年8月の大空襲を免れた。
この柱時計は、文鎮の錘が重力により下に下がる力で時計の歯車を駆動させる重錘式と呼ばれるもので、柱時計の多くがゼンマイ式である中では珍しいタイプである。
精工舎が別格に丹精込めて生産したもので、購入当時現在の貨幣価値で薬100万円したという。今も時々骨董商が高額で譲って欲しいと訪ねてくるが、断り続けているという。